月夜の翡翠と貴方



「…………………ルト?」


彼が見ていたのは、ドレスと靴がセットで飾られたものだった。

ドレスは薄い橙の、どちらかといえば白に近いような色の無地。

そこに純白の小さなパールがいくつか散りばめられ、胸元にドレスと同じ色の薔薇のブローチがつけられている。

足首の少し上ぐらいの裾で、ドレスにしては珍しい。

靴は白のストラップシューズで、ドレスとよく合っている。

色の差がなく、多少の装飾もあまり目立たない。


...『シンプル』、なものだった。


「…あの、あれ試着していいですか」

ルトが言うと、店員は優しい笑みを浮かべて、「もちろん」と言った。

店内には、私達以外に客はいない。

店員も、彼女しかいないようだった。


「どうぞ」と店員が私を試着室へ通す。

少しだけ、どきどきとしながら服を脱いだ。

...ルトが、自分からあれを、と言ったドレス。