綺麗という言葉が欲しいのではない。
『私』に、似合うものが欲しい。
食事を終え店を出ると、街に詳しいルトが、ドレスの売っている店を探す。
ルトは、汚くない、と言った。
あの夜、自分は汚れているのだ、と取り乱した私に、ルトは私の目を見て汚くないと言った。
生きることに、ひたむきなだけだと。
この髪も、顔も、体も、私にとっては全てが汚れている。
けれど、憎むと同時に、私はこれらを生きる手段としても使ってきた。
この容姿がなければ、私は奴隷としての価値がないも同然なのだ。
だから、私はこの容姿を手放せない。壊すことができない。
それは私にとって、苦痛以外の何物でもなくて。
綺麗と何度言われても、私はそれを皮肉に受け取ってしまう。
自分でも、女としてどうなのかと思うが、私は女である前に奴隷なのだ。
私は、そういう人間だ。



