月夜の翡翠と貴方



「それがどうしたの」

「俺、あれは素直にお前に似合うかもって思ったんだよ」

正直、あの時のことは思い出したくないのだが。

ケンカしてしまった記憶が大きい。

けれど、スジュナが言ってくれたものは、はっきりと覚えている。

「...うん。それで?」

「あれ、結構シンプルだっただろ。派手な装飾とかなくて。だから、ジェイドはそーゆーのがいいんじゃないかと思うんだよ」

...何やら熱く語っているが。

何故かルトは、今回のドレス選びに対して妙に張り切っているのだ。


「きいてる?ジェイド」

「きいてるきいてる」

要は、派手でないもののほうがいいということだろう。


「だからさ、今からはそーゆーのを見ていこう」

「ん」

私は特に楽しいとは思わないが、ルトが楽しそうなので、これはこれでいいか、と思った。

女のドレスを選ぶことの何が楽しいのかわからないが、私もここまで駄目だと言われては、似合うものを見つけたいという気にはなる。