月夜の翡翠と貴方



「...私は、今のこの服がいちばん落ち着くよ。脱いで着ての繰り返しなんて、疲れる」

「そうなの?」

ルトはげんなりとした私を見て、面白そうに笑っている。

そんなに、笑うことだろうか。

こんな事になったのも、ルトが次から次へ駄目だと言うからだ。

さすがの私でも、あんなに否定されれば落ち込む。

まるで何を着ても、似合わない気さえする。

むすっとしていると、ルトが「あのさ」と言った。

「さっきまでの店で店員が持ってきたのって、だいぶ派手なやつだっただろ?」

「…うん」

「でも俺さ、前にスジュナちゃんが店で、これがジェイドに似合うって言ってたやつ、思い出して」

...スジュナが、チェーリスの街で言っていたもの。

確か水色の生地で、きらきらと光る石が装飾として散りばめられている、ドレスというよりワンピースだった。

シンプルなデザインであったことも、印象に残っている。