店員も困り果てている。
ルトは少し考えて、他の店に行く、と言い出した。
そして、他の店でもそれを繰り返す。
やがて昼過ぎになり、昼食を取る事になった。
*
「疲れた………………………」
ナイフとフォークを片手に、私は顔全体で疲れをあらわにした。
テラスでのランチは好きだが、今は気分を満喫する気さえしない。
「なんで。ドレス着まわしてただけじゃん」
ルトは、特に疲れた様子もない。
「そりゃ、ルトは感想を言うだけだからね…」
「だけって」
はは、とルトは笑うけれど。
皮肉のひとつだって、言いたくなる。
「普通、女ってこーゆーの喜ぶんじゃねえの?ドレスとか、平民は滅多に着れるもんじゃないよ」
悪いが、私は平民ではない。
そう言おうとして、やめる。
こんな、多くの人がいるところで言うことではない。
確かに大抵の女は、あんなに豪華なドレスを着放題なんて、喜ぶだろう。
しかし、生憎私はその例から漏れている。



