月夜の翡翠と貴方



女店員は私を見て、目を見開いた。

そして、こちらが驚くほど私の容姿について誉めちぎる。

服選びに髪の色が重要となる、とルトが言うので、私は今フードをとっていた。

店員は碧の髪を見て、大袈裟なほど「まあまあ」と繰り返す。


「なんてお美しい!貴女ならなんでも似合いますよ!これなんてどうですか?」


近くにあった、薄紫の生地に細やかな装飾が散りばめられたドレスを持ってきた。

「は…はあ」

「是非着てみてくださいな!」

「えっ」

ぐいぐいと背中を押され、試着室に通される。

「さあさあ」と店員が急かすので、仕方なく着ることにした。

...もう、どうにでもなればいい。

似合わなければ、素直に笑えばいい。

着終えて、試着室のカーテンを開ける。

ルトの目に、触れる。

逃げたい、と正直に思った。

今日は、こんなことを何度もしなければならないのか。

店員はドレスを着た私の姿をみて、さらに大きく「まぁあ」と声をあげた。

お陰で、周りの客までこちらを見てくる。