月夜の翡翠と貴方



「………………………」

ルトとしばらく、それらを見て回ったが、果たしてどれがいいのかわからない。

「...やっぱり、着てみないとわかんないな」

「えっ………」

思わず、あからさまに嫌な顔をしてしまった。


「なにその顔。お前が着るんだから、お前に似合わないと意味がないだろ」


...それは、そうかもしれないけれど…

目の前で輝く、ドレス達を眺める。

…これを、着るのか。ルトの前で。

今までの主人たちは、たくさんの衣服を買ってきては、私に着せた。

それはもう私にとって事務的な何かになっていて、恥ずかしいという感情は一切なかった。

しかし、このルトという主人には、何故か恥ずかしさがこみ上げる。

今までこの、無地のワンピースを着ていたからかもしれないが、どうにも抵抗があるのだ。

ルトが適当にドレスを指差し、私に着るよう促す。

しかしその気になれず渋っていると、店員が声をかけてきた。


「本日は、どのようなものをお望みですか」

「えっと…この子に似合うものを。予算とかは特にないんで、似合えば…」


そう言って、ルトがこちらを指差す。