月夜の翡翠と貴方



包みのなかには、まだ何か入っているようだ。

ルトが手紙を読み終え、また無言で箱の中身を取り出す。

それは、小さな麻の袋だった。

じゃら、という音がするあたり、金が入っているらしい。

ルトがそれを見つめ、何かを考え込む。

その目は真剣で、私はその目をじっと見ていた。

手紙に、何が書いてあったのかはわからない。

けれど、これだけはわかる。


この包み箱を送って来たのは、きっとルトの依頼主。


金を送って来たということは、何かを買えとでもいうことだろうか。

彼の真剣な瞳で、これが『仕事』のときの彼なのだと思った。


ルトの瞳は、色々な表情をする。


まだ、見たことがないルトが沢山あるはずだ。

「………………………」

けれど、私はそれを全て見ることはできない。

それがわかった昨日の夜、私は静かに泣いた。

なぜ泣いたかなんて、もう考えたくもない。


考えがまとまったのか、ルトが一息ついて立ち上がった。