月夜の翡翠と貴方



そうだ。

手紙の返事が昨日届いていなかったから、今日また取りに行かなければ。


「届いてるといいんだけどな」


そう言って、また人が溢れる大通りへ向かう。

フードを被ると、ルトが自然と私の手を握った。


...けれど、握り返すことはできなかった。






「届いているぞ」


店には昨日と同じ、怪しげな女店員がひとりいるだけだった。

女店員はそれだけ言うと、奥から小さな茶色の包みを持ってきた。

ルトはそれを受け取ると、女店員に礼を言い、早々に店をでた。



「届いててよかったね」

ルトは、人のいない路地で、座って包みを開けた。

「ああ」

大通りにでては、包みを開けられないからだ。

包みを開けると、手紙が入っていた。

「…………………」

ルトは無言でそれを開いて、手紙を読む。

私は手紙の内容がこちらから見えないように、彼の真正面に座り、手紙を読む姿を黙って見ていた。