月夜の翡翠と貴方



酔っ払い特有の雰囲気と話し方に、段々とついていけなくなってしまった。

そこで、ミラゼが『そのくらいに』と言って、私をカウンターへ呼んでくれた。

だから今、私はカウンターでミラゼの隣に座っている。

よく考えると、こうしてここの人々と話せたのも、もとはリロザが私に気づいてくれたからだ。

リロザの運命だとかの話自体は迷惑かつ意味不明だったが、お陰で私は所在なく立ったままを逃れたのだ。

是非ともお礼をいいたいのだが、リロザは生憎外に出ているのか、今いない。


酒場には、もうだいぶ酔った人が増えていた。

ミラゼも客と一緒に相当飲んでいるはずだが、酔った様子をまるで見せない。

ルトも最初こそいらないと言っていたが、今ではだいぶ酒が入って、友人達と楽しそうに話している。

彼はいつも明るいけれど、今はいつにも増して陽気だった。

気を許した友人との再会だからだろう。


「…………………」


静かにそれを見ていると、隣のミラゼが「ねぇ」と言った。

「は、はい」

慌てて返事をすると、ミラゼはふふ、と美しく笑みを浮かべた。


「結局のところ、ルトとジェイドちゃんって、どういう関係なのかしら」


「………………」


...それは。

色んな人に訊かれたが、結局ルトと私の関係は、『ちょっと用事があって一緒にいる』というものにごまかしていた。