月夜の翡翠と貴方



「ほっといてごめん。いきなりこんなとこ連れて来といて言うのも何だけど、楽しも?」


今まで見たことのない、はじけたルトの笑顔が視界に広がる。

「……………うん」

ルトが楽しんでいるのだから、ここで私がつまらなそうにしていても悪い。

何より、初対面の私に対して、酒場の人々はこんなにも良くしてくれている。

ルトと一緒に旅をしている、というだけで、私がどんな人間かもわからないというのに。

ルトに手を引かれ、人々のところへ向かう。

戸惑いながらも、私は酒場の人々と様々な話をした。

上手くルトとの関係をごまかしながら、会話に詰まったらルトが助けてくれる。

それなりに場が盛り上がり、時間を忘れて喋った。






どれくらい時間がたっただろうか。

しばらく酒場の色々な人と話をしていた。

私は酒を飲めない、と遠慮したのだが、他の人々は段々と酔いが深くなり、最初のような喋りではなくなってきている。