...ああ、また目立つ。
私はさらに、目深にフードを被った。
三人で酒場へ向かう。
ルトが、どうか先ほどの事を忘れてしまいますように、と願いながら。
*
「着いた」
驚く事に、酒場というのは昼頃手紙の返事を取りに行った、アンティークの店の地下にあった。
しかもこの店はミラゼが経営しているらしい。
「知る人ぞ知る隠れ家みたいな店よ。酒場も知り合いしか来ないしね」
店のアンティークのひとつ、壁の掛け時計の時針を、ミラゼの細く長い指がまわす。
長針が五、短針が十の位置にくると、店の何処かでカチッという小さな音がした。
そして店の奥へ行くと、あらゆる物で溢れかえっている部屋の隅に、まるでそこだけ避けているかのような、不自然に何も置かれていないところがあった。
アンティーク調の取っ手がつけられている。
ミラゼがそれを引くと、簡単に開いた。
そして、地下への階段があらわれたのだ。
ルトは見慣れた光景なのか、平然とその様を眺めていたが、私は全てに素直に感心した。



