月夜の翡翠と貴方



「私は、ミラゼ・ヨーテル。ルトのちょっとした友人よ」


ルトを挟んで挨拶をして来るミラゼに、少しだけ身構えて返事をした。


「……ジェイド、です」

「ジェイドちゃんね。ふふ、よろしくね」

「は、はあ…」


サラサラとした茜色のポニーテールを揺らす彼女は、どうやら周りをぐいぐいと引っ張って行きそうな、そんな女のようだ。


「今からどこいくの?」

ミラゼが尋ねると、ルトは薄笑いを浮かべながら答えた。


「…貴女方の酒場に行こうとしてたんだよ」


女ふたりに挟まれた彼は、心底迷惑そうだった。

しかも、ミラゼは女にしては背が高く、その上ヒールを履いているために、ルトより高くなっている。

彼も決して低いわけではないが、ミラゼと並ぶと身長差が気になるようだった。


「あらぁ、そうなの?私もこれから店に戻ろうと思ってたから、丁度いいわね。一緒に行きましょ」


少し露出が多い、赤ワインのような色のキャミソールを着たミラゼ。

彼女を纏う雰囲気は、とても目を引くものだった。