月夜の翡翠と貴方



ルトは私を見て、眉をひそめた。


「…どした?なんか、二日前からその顔多いな」


そう言ってこちらを見てくる彼の顔に、私は唇を引き結んだ。

...やめて、欲しい。

そうやって、本当に心配しているような目。

…自惚れて、しまうでしょう。


無言で、寝台に腰掛ける。

ルトの姿を見ないように、下を向く。

小さく、けれどルトに聞こえるように、呟いた。


「………どうして、そんなに優しいの」


窓を見ていたルトの体が、こちらへ向いたのが、目の端で見えた。

「こんな私に、なんでそんな優しくできるの…」

どうして。


ルトが一歩、こちらへ近づいてきた。

苦しくなる。

優しく、静かに、私を責めていくようで。


「…言ったじゃん。俺は、お前のこと奴隷として見てないよ」

「どうして?」

「どうしてって…」

彼の困ったような声が聞こえる。