月夜の翡翠と貴方



私は少し眉を下げ、力なく笑った。


「…うん、ありがとう」


優しげに、少女を見つめて。

...素直に、明るく笑うことができない私が、すごく、...すごく、嫌だと思った。


スジュナが訝しげに首を傾げたところで、ルトが陽気な声で話題を振った。

なんとなくそれは、彼の優しさのようで、悔しかった。


『すごくすき』

スジュナの言葉が、私のなかを、柔らかに撫でる。

嬉しくて、少しだけ悲しくて、寂しい。

…私には、その言葉をもらえるほどの価値なんてあるのだろうか、と。


ぐるぐると渦を巻く、これはもうひとつの、私の中のもやもやだった。







「一件らくちゃーく」


宿へ戻るなり、ルトが上着を脱ぎなから、窓のほうへ向かった。

「……………………………」


「ジェイド?」

訝しげにこちらへ振り返ったルトから目を逸らし、下を向く。