月夜の翡翠と貴方



「スジュナ…と言ったな。君は、私達と家族になる気はあるか。君の思い通りに行かない事も、辛い事もあると思う。それでも、君は頑張れるかい」


ずず、とスジュナが鼻をすすった。

顔を上げ、溜まった涙が流れないよう耐える。

そんなスジュナを、私は見つめた。

憂いた笑みを、少女に向ける。

私の顔を見ると、スジュナはもう一度鼻をすすって、しっかりした声で返事をした。


「うん。家族になる…がんばる!」


男が、優しく笑った。

二カッとした、印象的な笑みだった。


「よし、決まりだ。俺もスジュナを信じよう。どうだ、皆」


男の言葉に、他の者はスジュナの堂々とした顔を見て、頷いた。


「...僕も、この子を信じるよ。ラサバを助けてくれたのは真実なら、奴隷だって関係ないね」

眼鏡をかけた黄緑の髪の若い男は、父親と似た顔で笑った。

「私も。奴隷奴隷言ってちゃ、キリないわ」

その隣の女も静かに頷き、他の者も同様に頷いた。


最後に、座長の男はロゼを見た。

向けられた視線に、彼女は罰の悪そうな顔をする。

「いいか?ロゼ」

ロゼは唇を尖らせ、渋々と言った様子で視線をそらした。

「と…父さんがそう言うなら、仕方ないんじゃない。勝手にどうぞ」

男が、優しげに笑った。