月夜の翡翠と貴方



「何かに吸い寄せられるように、私は奴隷屋へ行き、スジュナを買いました。自分でもよくわからないくらい、気づいたらスジュナの手を引き、劇場へ帰っていました」


……ラサバも、最初は沈んでいたのだ。

最愛の妻を亡くした悲しみは、相当なものなのだろう。

けれど…………

ラサバは優しい眼差しで、噴水公園を眺める。

ここも、ふたりの思い出の場所のひとつなのだ。

「それから…スジュナとの二人暮らしが始まりました。スジュナは見れば見るほど妻に似ていて、きっと子供を産んだらこんな子になるのだろうと思いました」

「…だから……スジュナちゃんの父親として………?」

「はい。神からの贈り物だと思いました。最初はうまくいかないことも多くありましたが、段々と歩幅を合わせられるようになって……今のように、なっていきました」

……それまでの課程は、なんとなく想像がついた。

スジュナから聞いた、思い出話を思い出す。

大変だっただろうに、それでも賑やかで、楽しかったと笑って語れるスジュナだ。

きっと、ふたりは少しずつ確実に、絆を深めていったに違いない。