どこまで近づいて、どこで止まればいいのか、わからない。
*
噴水公園のベンチで、ぼーっと木々を眺める。
とてとてと身軽に歩くハトが、心底羨ましい。
小さくふぅ、と息を吐いた。
…考えてみると、ルトに買われて三日が経つ。
なんだか、すごく疲れた。
戸惑って考えて、考えて戸惑っての連続である。
こんな事、初めてだ。
主人との距離感なんて、大体初日でつかむもの。
けれど、ルトといるとこちらの常識や思考が、どんどん覆されていく。
そもそも、奴隷と友人関係を持とうなんていうのが、おかしいのだ。
なんてらちのあかない考えを巡らせていると、公園の入り口から見覚えのある、自信なさげな顔が見えてきた。
「……あ、ラサバさん」
「どうも」
こちらに頭を下げながら歩いてきたのは、サバだった。



