ルトと歩いてみてわかったことだが、もしかしたら今のケンカは、周りからは痴話喧嘩のように見えたのではないだろうか。
ペルダインの国民にしては、ずいぶんと心配そうな目を向けてくる。
…なんだか、いたたまれない。
私は今度こそため息をつくと、静かに店を出たのだった。
*
私だって、考えているのだ。
長らく友好な人間関係を作ろうとした事がないから、慣れない思考に必死に感情を追いつかせようと、努力しているのだ。
悩んで考えて戸惑って、でもやっぱりわからない。
ルトとの、最も適切な距離感が掴めない。
メニュー