月夜の翡翠と貴方



ルトと歩いてみてわかったことだが、もしかしたら今のケンカは、周りからは痴話喧嘩のように見えたのではないだろうか。

ペルダインの国民にしては、ずいぶんと心配そうな目を向けてくる。


…なんだか、いたたまれない。

私は今度こそため息をつくと、静かに店を出たのだった。





私だって、考えているのだ。


長らく友好な人間関係を作ろうとした事がないから、慣れない思考に必死に感情を追いつかせようと、努力しているのだ。

悩んで考えて戸惑って、でもやっぱりわからない。


ルトとの、最も適切な距離感が掴めない。