月夜の翡翠と貴方



「 えっ………」

「これ、すっごくおねえちゃんに似合いそうだよ!」

「……私に?」


ワンピースを、もう一度見つめた。

サイズは、大人の女が着れるくらいで。


...……そうだ。

私はもう、十八なのか。


「私なんかに、似合うかな………?」

「似合うよ!おねえちゃん、綺麗だもん!」

「………ありがとう」


頑張って伝えてくれようとするスジュナに、優しく微笑んだ。

するとスジュナも満足そうに、ニコニコと笑い返してくれた。


……この子はいい子だな、とつくづく思う。

人の事をよく見ているし、何より思いやりがある。

この子の性格がもともとこうであるのだとは思うが、ラサバと出会ったことも、一因なのだろう。

愛するものが出来れば、奴隷でも変わることがあるのだ、と初めて知った。