月夜の翡翠と貴方



眉を寄せて見ていると、ルトは不自然なほどにぐるぐると、目線を泳がし始めた。

その様子は、ああ彼だと思わせるもので。


「……あー、や、ごめん、冗談冗談。ナシ。今の忘れて。ごめん。もう寝るわ」


言うが早いか、こちらに背を向けて横になる。


「…………………………」


…そんなに、私の反応が予想外だったのだろうか。

しかし、やはりルトも男なのだと実感する。

先程のルトは明らかに、手慣れた男のものだった。

ルトの性格上、女をたぶらかすとまではいかずとも。

あの雰囲気は、確実に場数を踏んでいる。


ふぅ、と息を吐いた。

……寝台へ入るのは、久しぶりだ。

寝るのは、数年ぶり。

シーツが擦れる音も、久しぶりに聞く。


まつげを伏せて、私はルトの背中を見つめた。