月夜の翡翠と貴方



私はそのまっすぐな視線を、見つめ返した。

少しルトから視線を外し、そして普段と変わらない表情で、もう一度ルトを見つめる。

艶のある唇が、少し開いて。


「………お望みなら」


私は、彼を見つめる。

『ルト』という、主人を見つめる。

そう言うことが、まるで当たり前だというように、自然と。

それを受け入れることに、なんの疑問もなんの恥じらいもない。

ルトが望むのなら、受け入れる。

そこには、忠誠とは違うなにかがあった。


「…………」



私の言葉に、ルトは驚いているようだった。

予想していなかったのか。

自分から言っておいて、何をそんな間抜けな顔をしているのだろう。

先程のルトは、どこへいったのか。