月夜の翡翠と貴方



寝台から立ち上がり、浴室へ向かう。


もやもやしている。

浴室で全て、流してしまいたい程に。




湯浴びを終えると、ルトが寝台に座り、外を眺めているのが見えた。

心なしか、疲れているように見える。

見える横顔は、差し込む月明かりで綺麗だった。

ルトはもともと綺麗な顔立ちをしているけれど、今のは少し雰囲気が違う。

言うなら、『男』だった。

昨日の夜を、思い出す。

酒屋で見た、ルト。

あのときの彼も、今の彼も、普段の彼も………

どれが、本当の彼なのだろう。

……いや、知らなくていい。

必要以上に、ルトという男の内面を知りすぎてはいけない。

やがて、ルトがこちらに気づいた。