月夜の翡翠と貴方



先程から、ぐるぐると考えてばかりだ。

漫然と天井を見ていると、急な眠気が襲って来た。

その眠気に流されるまま、私は目を閉じた。





「ん、……?」


サラサラと、ペンを走らせる音がする。

薄っすらと目を開け、起き上がると、窓際の席でルトが何かを書いていた。

こちらに気づき、彼は笑う。

「おはよ」

…外は、まだ真っ暗な夜空である。

「どのくらい寝てた……?」

のそのそと起き上がりながら、自分にかけられた上等な布に気づいた。

「二時間ぐらいだよ」

「………そっか」

宿の布団だ。

さりげなくかけられた布団を見て、本当にこの男はなんなんだと思った。