先程から、ぐるぐると考えてばかりだ。
漫然と天井を見ていると、急な眠気が襲って来た。
その眠気に流されるまま、私は目を閉じた。
*
「ん、……?」
サラサラと、ペンを走らせる音がする。
薄っすらと目を開け、起き上がると、窓際の席でルトが何かを書いていた。
こちらに気づき、彼は笑う。
「おはよ」
…外は、まだ真っ暗な夜空である。
「どのくらい寝てた……?」
のそのそと起き上がりながら、自分にかけられた上等な布に気づいた。
「二時間ぐらいだよ」
「………そっか」
宿の布団だ。
さりげなくかけられた布団を見て、本当にこの男はなんなんだと思った。



