月夜の翡翠と貴方



ルトはぽかんとした間抜け顔のまま、私の顔を指差した。


「……顔、赤い」


時が止まったように、私は固まった。

そして、段々と羞恥の感情が湧き上がってくる。

…誰のせいだと思ってる……!?

「それは………っ」

言い返そうとしたところで、裏口の扉の向こうから声がした。

慌てて、普段通りの表情に戻す。


「ラサバーーっ!お客様いるから出てーっ」


女の言葉に、スジュナの目が明るく輝いたのを見た。

「はーーーい…っ……」

慌てた男の声が、扉の向こうから聞こえる。

カチャ、という音と共に。


「すみません、お待たせしてしまい……」


眼鏡をかけた男が出てきた。

「……………」

しかし、瞳をキラキラと輝かせたスジュナを見るなり、彼は動きを止める。


そして、バタン!!と、扉が閉められた。


「!?」

な、何故………

拒絶するように扉を閉められたスジュナは、肩を震わせている。

「……な…なんでぇ〜…パパぁ〜…」

…あぁ、まずい。

今にも、泣き出してしまいそうだ。

すると、男がもう一度扉からでてきた。