月夜の翡翠と貴方



「………………」

視線を、合わせる事ができない。

…何故?

「俺らは確かに恋人じゃないよ。だから否定の言葉を言うにしろ、お前は認識を間違ってる。俺から見れば、お前は奴隷じゃない。ちゃんとひとりの女だよ」

深緑が、まっすぐ私を見つめる。

動揺して、言葉が上手く出てこない。

何故、そんなことを言うんだ。

私は、あくまでルトを主人なのだと思っているのに。

自身を制し、近づきすぎてはいけないと考えているのに。

私達は友人のフリをしているだけの、所詮奴隷と主人なのだと。

そう、割り切っているのに………


私は精一杯に、声を絞り出した。


「……だって私は、ルトに買われたんだよ」

「うん。だから?それはそれ」


…割り切り方が、おかしいだろう。