「勇者よ、いきなり呼び出されて戸惑う気持ちも分かる。―だが、今日で娘が連れ去られて二週間目だ。……そろそろ、助けに行ってはくれまいか??頼む…………お礼は何でもする」
王様は深く頭を垂れた。
しかし勇者は
「お礼なんて要らないです。ど~せ娘を嫁に、とか言うんでしょ???そのパターンは飽きました。てか正直あんたの娘なんて嫁にもらいたくないですし」
そのあんまりな言い草に王様は怒りを通り越して呆然とした。
勇者はめんどうくさそうに爪をいじりながら王様を見ずに言った。
「それより僕、元の世界に帰りたいんですけど。予約してたゲーム買わないとなんで。…………聞いてますか???」
「…………。
勇者よ」
王様の静かな声に、勇者は爪いじりを止め、王様を見た。
そして王様はにっこり笑い、静かに言い放った――――
「貴様が私の娘を助けに行かないというならば、貴様はもう元の世界には戻れんぞ」
「……はっ?」

