「お電話替わりました、木下の上司の薮本と申します」
「はあ…?」
上司?
訳が分からない。
一体この会社は、どうなっているのだろう…
「御存知…ないのですか?」
「何をですか?」
数秒間が空いて、上司と名乗る人物が話し始めた。
「これをお話しして良いものかどうか、判断に迷っていたのですが…
木下は3日前の土曜日に、亡くなりました」
「え…
な、亡くなった?」
亡くなった…?
私はその言葉の意味を、一生懸命頭の中に探したが、直ぐには見付からなかった。
「私共としましては、これ以上の事は…」
私の考えがまとまらないうちに、半ば強引に電話を切られた。
あ、有り得ない…
受賞者が2人とも死ぬなんて事は、どう考えても有り得ない!!
そうだ…
確か、アリスの自宅は会社からそんなに遠くない筈だ。とにかく、今から行ってみよう。
私は森田課長に許可を貰い、アリスの自宅に様子を見に行く事にした。
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