「小野寺君が金曜日に、あの様な事になってしまっただろ?
彼の通常業務は構わないのだが、急いでいる仕事があるんだ…
それをやってもらいたい」
急ぎの仕事って、まさか…
「新人賞の大賞を受賞したミユキと、その後連絡が取れていない…
そのミユキと何としても、コンタクトを取って欲しい。
早目に、大賞作品を書籍化に向けて進めていかないと、うちのケータイ小説サイトの信用力が落ちてしまう。
それと――」
やはり…
でも、小野寺さんが毎日あれだけ連絡をしても捕まえる事が出来ないミユキを、私に見付ける事が出来るのだろうか?
「それと、優秀賞を受賞したアリス…
彼女もそろそろ連絡して、書籍化についての話を詰めなければならないんだ。
彼女にも連絡をして、出来れば会社に一度来てもらってくれ」
「は、はい。
分かりました」
簡単そうに思えるが、かなり困難で重大な仕事の様な気がする。
こんなサイトの将来を左右する事を、私の様な新人に任せても良いのだろうか…
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