私はすぐに、【愛美】というファン登録してくれた人のプロフィールを開いた。
プロフィールには"読み専門"と書いてあり、足跡帳があるだけで小説は無かった。
とりあえず私はその足跡帳の感想欄を開き、お礼の言葉を書き込んだ。
正直な所、私にとってこの小説は試し書きみたいなものだったし、書いていると自分に才能が無い事も分かったから削除するつもりでいた。
でも、こうして少ないながらも読者が現れ、ファン登録までしてもらうと責任感も生まれてくるし、最後まで書き続けようという気持ちにもなってくる。
こんな気持ちは、ただ管理しているだけでは絶対に分からない事だ。
作家は例え素人で、端から見て拙い文章しか書けない様に見えたとしても、自分の作品に責任を持ち読者の期待も背負っているのだ。
だから、ケータイ小説の大賞を開催すると様々なトラブルが発生するし、運営サイドにも不満をぶつけてくる人も現れる…
我々スタッフが考えているよりも、作家は真剣に書いているんだ。
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