「じゃあ唯さんは自宅?
ごめんなさい、こんな所まで追い掛けてきてしまって…」
私が一言謝って再び自宅に向かおうとした時、由妃が呼び止めた。
「待って!!」
その声に立ち止まると、由妃は私の前に回り込んで言った。
「唯はいません…
唯はもういないんです」
私はその言葉の意味が分からず首を傾げたが、由妃の表情を見ているうちに状況を突然理解した。
背筋に電流の様に悪寒が走って全身に鳥肌が立ち、額から嫌な汗が滲み出た…
まさか――!!
由妃の表情が一気に崩れ、俯いた顔から涙がぽたぽたと黒いアスファルトに落ちた。
そして、か細い声で 絞り出す様に言った…
「ゆ、由衣は…由衣は先月亡くなりました…
ケータイ小説サイトのミーティングに行くって、家を出てそれきり…
そのミーティングからの帰宅途中に、交通事故に遭い――…」
そ…そんな!!
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