私は気味が悪いので、早々にパソコンの電源を切り、20時過ぎには会社を後にした。




翌日――

私は前日予定していた様に、神奈川県に行く為に朝から駅へと向かった。

住所からすれば、神奈川県でも東京寄りの地域だし、途中でバスかタクシーを使うにしても1時間圏内だ。


唯の本名は白島 由衣。
神奈川県内の携帯ショップに勤務する21歳、当日はわざわざ休暇を取って来たと言っていた。

サイト内でそれ程有名ではないが、将来の夢は小説家というだけあり、出版社がどんな所なのか見てみたいとも思っていたらしい…


私は電車の座席に座り頭の中を必死に整理しながら、コピーしてきたミーティングの資料を見ていた。

教科書通りの正統派の受け答え…
社会人としてはこれで良いのだろうが、作家はもう少し自己顕示欲が強い方が良いのかも知れない。

とはいえ、サオリ程自己主張が強いのもどうかと思う…


水と油だ。
お互いに相容れない存在に思える…


.