私は小野寺さんが重傷を負い、病院に運ばれた事実に愕然とした…

しかしそれと同時に、事故ではなく事件ではないかという思いが芽生えてきた。


現実的に、同じ会社の同じ部署の人間が、ほんの短い期間に同じ様な事故(自殺?)に遭うなど、まず考えられない。

何者かが、故意に狙っていると考える方が現実的だ。


悪意を持った何者かの存在――

そう考えると、何か全ての出来事が説明出来る…
そんな気がした。



それともう1つ、無関係とは思うが、気付いた事があった。


ミーティング資料を整理していると、参加者の意見がそのまま書かれていた。

多分、テープレコーダーか何かに録音されていたであろうその意見は詳細で、大半は唯とサオリの押し問答だった。


これを見ていると、ミーティングの日の事が蘇ってきた。

確かに、唯とサオリは意見交換というよりは、かなり険悪で口喧嘩でもしているかの様な状況だった。


何か妙に違和感がある。一体何だろうこの感覚は…


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