私がデスク越しに正面に立つと、森田課長は私を見上げた。
「課長。
ミーティングの特集を、私にやらせて頂けませんか?」
森田課長は厳しい表情で、私の目を見つめた。そしてその後で、優しい笑みを浮かべた…
「分かった。
吉川君に任せよう!!
なかなか名乗り出る人がいなかったし、気になっていたんだ。
そうだな…
余り無反応だと、ユーザーも離れてしまうから、来月初めの特集にしよう。
あと半月しかないが、しっかりまとめてくれ」
「はい!!」
やはり森田課長は、現状がよく分かっている。
それに比べ、他のスタッフは危機感が無いというか…
自分達の仕事が何なのか理解していないのではないだろうか?
新人の私にさえ分かる。
この仕事は、単なるケータイ小説の発表の場を提供している訳ではない。
過去の精算をしている人もいれば、将来の夢に向かって全てを賭けている人もいる…
私達はユーザーにとって、とても重要な仕事をしているんだ!!
.



