急いでエレベーターに乗り込み1階まで下りると、早足で歩道を歩いた。


私は、嫌な予感がしてならなかった。

どう考えても、尋常ではない状況だ。
連続飛び込み自殺未遂に、パソコンの異常現象…

何者かが、激しい悪意を抱いて活動しているとしか思えない。

ひょっとしたら、ケータイ小説サイトに何らかの怨みを持つ人間が、関係者を狙って――


いや…
それは考え過ぎだ。



そんな事を考えながら歩いていると、いつも立ち寄るコンビニがある交差点で信号に引っ掛かった。

今日は早く退社した為、片側3車線の道路はまだ交通量も多く、私は通り過ぎるヘッドライトの光に照らされていた。


その時、背後に妙な気配を感じて振り返った。

すると、黒いキャップを深々と被った人物が、手を伸ばせば届く程の位置に立っていた!!


な、何…
こんなにスペースがあるのに、なぜこの人は私の後ろに立っているの?


不審に思い、顔を覗き込もうとした瞬間、その人物は下を向いて慌てて走り去った――


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