「よし、私も早く帰ろう…」
なぜか、妙に胸騒ぎがした。
何と表現すれば良いのか分からないが、誰もいない薄暗い夜道を歩いている時に、背後に気配を感じる様な…
パソコンの電源を切ろうと、手を伸ばした瞬間――
突然、ログアウトしたはずの、ケータイ小説サイトのトップページが表示された!!
「な、何これ…」
そして、画面が自動的に切り替わり、作家検索を始めた。
【栞】
私の作家名だ。
そして、画面はそのまま自動的に私の2ページしか書いていない小説の表紙に切り替わり…
感想欄を示したところで、いきなりパソコンの電源が落ちた。
私はその様子を、ただ茫然と見つめていた。
錯覚などではない…
間違いなく、何者かの意思で操作されていた。
余りにも奇妙な出来事に私は言葉を失い動けずにいたが、暫くして徐々に恐怖心が全身を包み始めた。
人間ではない…
その言葉が脳裏に浮かび、私は鞄を持つと走って部屋を出た。
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