森田課長は営業担当の人達と、慌てて部屋を出て行った。

直ぐに残された人達は、片付けを始めた…


ケータイ小説は既に過渡期にあるとは思う。

しかしまだ、売上もタイトルによっては10万部を超えるものもあり、来月から開催予定の大賞に関しては順調にスポンサーも見付かっていた筈だ。

仕事の事で、自殺する程の理由があるとは思えない。


それに、横山さんの家庭は円満で有名だ。家庭の事情とも考え難い…



「吉川さんも今日は早目に帰ってね。今朝はオフィスが荒らされてたし、気を付けないと…」

「あ、はい。これが終わったら帰ります」


そうだった。
このオフィスにも、変な事が起きていたんだった…
何も盗らない荒らしには、一体何の意味があるのだろう?

もしかして、横山さんの自殺と何か関連があるのだろうか…


一度に様々な事が起こり、私の頭は混乱し整理すら出来ない状態だった。


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