18時過ぎ――
いつもなら営業の横山さんが帰社する時間だが、今日はまだ帰ってこない…
特に仲が良い訳でもないし、言葉を交わす事もない人だが、今日はなぜか気になって仕方がなかった。
そして、1本の電話が入る――
「え!!
それ本当ですか!?」
突然室内に叫び声が響き渡り、スタッフ全員がそちらに注目した。
「課長、横山が事故に遭って救急車で運ばれたみたいです!!」
一瞬全員の手が止まった。
森田課長が受話器を取り、詳細を確認する…
数分後、森田課長は電話で確認をした内容を、全員に報告をした。
「みんなも聞いていたと思うが、横山君が事故に遭って入院した。
私は今から病院に行くから、各自今日は早く帰宅するように」
同じ営業の人が立ち上がった。
「一体何があったんですか?」
「うむ…
歩行者信号が赤なのに、横断歩道に飛び出して走ってきた車にはねられたらしい」
それではまるで、自殺しようとしたとしか思えない…
.