「ふう…」

私はパソコンの画面を見つめながら、思わず大きく溜め息を吐いた。


「じゃあ先に帰るから、吉川君も早く帰れよ」

「あ、はい。
お疲れ様でした」


背後で扉が閉まる音がして、私は広いオフィスに1人きりになった。


入社2年目でようやく任された仕事が、今暗礁に乗り上げている。

上司は当然の様に、私のせいではないとは言うけれど、私が担当になった直後からだと、さすがに責任を感じる。

一体なぜこんな事になったのか、原因が分からなければ手の打ち様がない…


「ふう…」

既に時計は24時を回り、私と同じ部署の人達は帰宅した。


20人分の机が並ぶスペースは、私の頭上の蛍光灯だけを残し、全ての照明が消され、薄暗い中で私の顔だけがパソコンの明かりに照らされている…


一体なぜ?


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