影が1つ、
陸橋から飛んだ――
その影は、まるで暗闇で迷う蝙蝠の様に、街灯の灯りを横切ると…
信号機の青い光りが微かに照らすアスファルトに、投げ捨てられたゴミの様に落ちた。
そして――
大型トラックの激しいブレーキ音が周囲に響き渡る中で、潰され粉々に砕け散った……
「わ、私がいけなかったの…
私が内部事情さえ漏らさなければ、こんな事にはならなかったのに!!
私が――」
泣き崩れる瀬戸川さんの横で、私は茫然と立ち尽くしていた。
千里は2年前の光景を思い出したのか、その場にへたり込み動けなくなった。
愛美はそんな千里を正面から抱き締め、千里の肩口に顔を埋めて震えていた。
やがてサイレンの音が鳴り響き、赤い光りが周囲を包み込んだ。
私が千里と愛美を抱き締め、その場から車へと連れて行こうと立ち上がった時…
陸橋の向こう側の暗闇へと消えて行く、瀬戸川さんの後ろ姿が見えた。
瀬戸川さんは一体、どんな答えを出したのだろう…
私は――
.



