管理人


「俺には今、2年前の岸本の気持ちがよく分かるんだよ。

岸本は自分の大切な妹を想い、他の人達を犠牲にした…

俺は―――


なあ…
犠牲を伴わない正義って、存在するのかな?」


言い終わると田中は一度俯き、突然千里の方に向かって走り始めた!!

そして千里を突き飛ばすと、裏通りを渡り、建物の間の狭い路地を通って表通りに向かった。


私達は慌てて田中の後を追って、路地に駆け込んだ。

20メートル程の暗い路地を抜け、表通りの歩道に出ると直ぐに左右を確認したが、田中の姿はどこにも見えなかった。


「あ、あそこ!!」

叫んだ愛美の指を差す方向を見ると、50メートルほど先の陸橋の上に田中が立っていた!!


ま、まさか――


急いで陸橋まで走って行くと、田中が私達の方に振り向いた。

もう暗くてはっきりと見えた訳ではなかったが、田中は笑った様に見えた…


いや…
きっと笑ったんだ。


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