「はははは!!」
その時、千里の話を聞いた田中が突然笑い始めた。
「確かにその通りだ。
俺は2年前の事件の時に、罪の無い人達を自分の意思ではないにしろ、自分が書いた小説で死に追いやった事を後悔した…
それなのに、また同じ様に無関係な人を巻き込んでいたなんて」
田中は一度大声で笑った後、急に真剣な表情に変わり、そう呟いた。
そして、不安そうに田中の顔を覗き込む瀬戸川さんを、優しそうな笑顔を作って見つめた。
「良いんだ。もう俺の答えははっきりしたから…」
田中は持っていた鞄から、少し大きめの茶色い封筒を取り出すと、私の方に歩み寄り右手を伸ばして差し出した。
「これは、あなたにあげよう。どうしようが自由だ。
ただ、絶対に中身を確認してはいけない。
この意味分かるよね…」
私は差し出された封筒を、そのまま受け取った。
封筒を渡した田中は、千里と愛美を交互に見て言った…
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