「運転は怪しいけど、愛美が車で来てるから高速に乗って行こう。次の快速まで1時間あるし、こっちの方が早いよ」

千里の言葉に、私は愛美の顔を見て尋ねた。

「良いの?」

「うん」


私は2人に甘える事にして、駐車場に行き車に乗り込んだ。

車は若い女性には似つかわしくない、白いセダンの高級車だった。

「家族は電車通勤だし、誰も乗らないから平日は私の物」

ルームミラー越しに笑うと、愛美はエンジンをかけて発進した。


怪しいどころか、荒い運転でスピードを上げ高速道路の入口を目指す――



早く2人を止めないと…

もうこれ以上、ケータイ小説絡みで人が死ぬなんて事があってはならない。

それが、不正に不満を持っての行動だろうと、他人を殺してまでの正義などあるはずがない。


私達の乗った車は高速道路道路に入り、一路東京を目指した…


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