ホームページに送信した時に記入したメールアドレスはサブアドレスだ。
しかし、普通に使用出来るメールアドレスで、返信すると当然私達の元に届く様になっていた。
田中は自分の身に一体何が起きているのか、なぜ今日この場所に意味も無く呼び出されたのか、ようやく気付いた様子だった。
立ち上がろうとする田中の手を、千里がぐっと掴んだ。
「田中君あんたって人は…
2年前の事件で、一体何人の無関係な人が死んだと思ってるの!!
あれだけあの小説を書いて後悔したのに、今度は自分が何人もの人を殺すなんて!!」
千里の声が大き過ぎて、喫茶店の中にいた人達が一斉にこちらを振り向いた。
「千里、あんた声が大き過ぎるよ」
愛美が千里に注意した瞬間、田中は千里の手を振り払い、喫茶店の外へと飛び出して行った!!
「あっ!!」
「ごめん愛美、お金払っておいて!!」
「え――!!」
私と千里は、田中の後ろ姿を慌てて追い掛けた。
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