3人同時に、テーブルの下でメール送信を開始した。

平静を装いながら会話を続ける2人…
テーブルの下で手だけを動かす。



鳴らない――


田中から着信音もバイブの音も、全く聞こえない。

RyoとAYUMIが田中だという仮説が間違っていたのか、それとも転送設定がされていないのか…

どちらにしても、失敗だ。



その時――

落胆して思わず俯いた私の耳に、喫茶店のBGMとは違う音楽が聞こえてきた。

ハッとして顔を上げると、その音楽は田中の胸ポケットから流れている様だった。

まさか――!!


すかさず愛美が田中に聞いた。

「カッコイイ曲だよね~
それってメールの着信音?」

「あ…ああ、これ?
そうだよ、メールの着信音」


田中がそう答えた後も、鳴り止まない音楽…

途切れても、すぐに鳴り始める着信音…


もう間違いない――


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