私はその質問に動揺して、自分でも表情が強張ったのが分かった。
「この子は、大学の同級生だよ。ね~千里」
すぐに愛美がフォローを入れ、横にいた千里に同意を求めた。
「うんそうだよ、英文科の栞。
偶然そこで会ったから、待ってる間一緒に話しをしてたの」
「そうなんだ」
一気に田中の表情が緩み、2人の方を向いて世間話を始めた。
どうやら、私に対する猜疑心は薄れた様だ。
少しでも私がケータイ小説サイトの人間だと分かれば、この場から逃げ出してしまう事も考えられる…
そうなれば、全てが水の泡だ。
10分程して、世間話に没頭していた田中が、千里の方を向いて尋ねた。
「それで…
今日、俺を呼び出した用事って何?
同窓会でもやろうっていうの?」
その田中の言葉が終わると同時に、千里の右手がテーブルを叩いた!!
メール送信の合図だ…
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