「AYUMI…」


「あ、AYUMI――!!」

AYUMIといえば、去年の第2回ケータイ小説作家大賞で、実際の得票数1位の作家だ!!

そのAYUMIとRyoが同一人物だとすると、ケータイ小説サイトに対して怨みを持っている筈だし…

得票数1位の自分が受賞する筈だから、不正により受賞した作家に対して悪意を抱いていも不思議ではない。


あれ…?


いや、それは変だ。
得票数1位という事は、内部のスタッフ以外は知らない…


あ――!!


「ね、ねえ。
2年前の事件の時ムーン出版に、その作家に呼び出しの連絡をしてもらったのよね?

その時の、ムーン出版の連絡してくれた人の名前って分かる?」

「え…
ムーン出版の人の名前?

事件が一段落した後、お礼の電話をしたんだけど――」


千里は暫く考えていたが、首を横に振った。

「ごめん…もう、思い出せない。
でも、女性だったと思う」


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