「は、はい…」
勢いで返事をしたものの、自分のデスクに戻った私は頭を抱えた。
不正の片棒を担いでピックアップ作品の紹介文を書いてしまえば、私は不正集団の一味になってしまう…
だからといって、何もかも投げ出して会社を辞めてしまうのは、結果的にサイトの不正体質は何も変わる事がなく、ユーザーを裏切る事になる。
ピックアップ作品の、紹介文の締め切りは来週の月曜日だ。
それまでに私がどう動くのか、決めなくてはならない。
とにかく、ユーザーにとって最善の方法を考えたい…
この日はその後、余計なホームページを開いたりブログを捲ったりせず、変な所で鍵に当たらない様にしながら慎重に仕事をこなした。
そして20時過ぎ、ようやく仕事が一段落した私は、帰宅する事にした…
帰宅する道すがら、携帯電話を開き自分が書いている小説にアクセスした。
こんな事をしている場合ではない事は分かっているが、もし感想をくれた人がいたら早目に返事をしておきたかった。
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