瀬戸川さん…
不正が納得出来ず、自ら退社したと聞いているけど。
森田課長と衝突していたのだろうか?
「彼女は第2回の大賞開催にあたり、森田課長が不正の指示をした時に、真っ向から反対したの。
でも当然、森田課長が折れる筈もなく、何かある度に散々嫌がらせを受けて…
ユーザーの為にって、新人賞までは頑張っていたけど精神的に追い詰められてね」
あの時、瀬戸川さんは詳しい事を一切話してくれなかったけど…
あの人は、1人きりで不正と戦ったんだ。
精神が病むまで、ユーザーの期待と信頼に応える為に――
「勘違いしないで。
彼女みたいには出来ないけど、スタッフは賛同している訳ではないのよ。
ユーザーと直接接するのは私達だから、いつも自責の念に――」
「おい、お前達!!
手を動かせ手を!!」
森田課長の声が背後から聞こえ、私達は慌てて椅子に座り直し、パソコンに向かった。
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