管理人


泣けてくる…

自分自身の不甲斐なさと、ユーザーに対する背信行為を、これからしなければならない事に悔しくて涙が溢れてくる。


森田課長の指示が出尽くし、スタッフの反対意見が出なかった所で会議は終了した。

どうにも納得がいかない私は、森田課長が席を外した時に、隣のスタッフに声を掛けた。

「さっきの会議ですけど…」

まるで私が問い掛ける事が分かっていたかの様に、隣の女性スタッフが振り向いた。

「吉川さんは初めてだったもんね、少し驚いた…というより、罪悪感で一杯になったかな?」

「え、ええまあ…」

「大きい声では言えないんだけどね…」

そう言って、その女性スタッフは姿勢を屈めて、私に顔を近付けてきた。

そして、デスクとパソコンに隠れる様にして話し始めた…


「最初はね、こんな不正なんて無かったのよ。普通にユーザーの為にサイトを運営し、その中から自然に生まれてくるヒット作を書籍化して売り出していたの。

あの時までは――」


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